住宅ローンについて数回にわけて記事を書いてきましたが、実は一番大きなことにまだ触れていませんでした。
それは、そもそも「借入金額をいくらにすべきか」という点です。
あえて書いていなかった理由も含めて、今回は借入金額の決め方について書いてみます。
(なお、わたしはプロのFPではないため、一個人の体験や意見としてお読みください。周囲に聞ける人がいないといった方の参考になればと思っています)
地味に会社員を続けているが、メンタルが弱い(不安症)ためか、一つのことを考え始めると頭から離れず執着する性格。マンション購入においてもいろいろと調べ、悩み、条件を変え、歩き回った末にやっとこさ希望の物件の購入に至る。
住宅ローンの借入金額を決めるにあたり
なぜ、このテーマを先に書いていなかったかというと、借入金額を考えるには、結局「物件価格はいくらにすべきか」や「毎月の返済はいくらが可能か」など他の要素も絡んでくるからです。
どういう順序で考えるかは、絶対条件の有無など人によって変わってくるかもしれませんが、改めて他のサイトの情報も調べながら、自分はどうしたかを整理してみました。
住宅ローンの借入金額をいくらにすべきか考える手順
最初からFPに相談するという方法もありますが、わたしの場合は、まずは自分で物件を探すのに目安の金額を決めたかったので、先に自分でおおよその金額を考えました。
大枠としては、
- まず、購入したいマンションの価格目安を決める
- そのうちいくらをローンで借りるかを考える
という流れで、以下の手順で考えました。
実際の計算方法は少し違うのですが、それについてはまた別の記事で書きたいと思います。
ステップ(1)今後の支出(ライフプラン)を考える
結局はライフプランが大きく影響してくるので、今後の将来にかかる費用を考えました。
先のことなどわからないのでざっくりになりますが、わたしのようにアラフォー(というかほぼアラフィフだった)の場合など、歳をとるほどライフプランの精度は上がるのでは思います。
わたしの場合、特に結婚や子供の願望もなかったので、自分が今後どうしたいか・何が起こりうるかを考えました。具体的には、旅行や家電の買い替え、いざというときの医療費などをざっくり計算しました(今思い出しましたが葬式代を入れてませんでした。桜の木の下に灰を捲いてほしい…)。
マンション購入後は、固定資産税や管理費・修繕積立費も必要になるので、その分もざっくり仮の数字で支出に含めて考えました。
ステップ(2)今後の収入+貯金を計算する
これも先のことまでは見通しが立てづらいですが、厳しめに出しておくのが良いと思います。
わたしはとりあえず、55歳から収入が下がると考えて計算しました。
年金がいくらもらえるかも大きく影響してきますので、ここは年金定期便を見て、その時点の金額か、若干プラスアルファの金額を想定して計算しました。
ちなみに年金定期便の記載額は50代前か後かで異なります。
40代まで:その時点までに収めた保険料の金額をもとに年金額が記載されている
50代以降:将来の見込み額で年金額が記載されている(このまま60歳まで保険料を納付した想定)
よって、将来の年金額は前者で計算すると実際より少なめ、後者で計算すると皮算用的になるので注意が必要です。
ステップ(3)住居費の予算を算出=物件価格の目安
ステップ(1)と(2)の結果から、住居費に充てられる金額を算出します。
例えば、
(1) 今後のライフプランでかかる費用:1000万円
(2) 今後の収入+貯金の合計:3000万円
なら
(3) 住居費は、(2)3000 – (1)1000=2000万円 になります。
この金額を「物件に使える価格の目安」であり、=「ローンで借りるお金」とここでは一旦仮置きをしておきます。
わかりやすくするために単純な計算にしておりますが、マンション購入時には諸費用や引っ越し代などもかかります。
この例では、その分も含めて住居費2000万円に抑える計算ですが、(1)の今後の支出に入れて計算しても良いと思います。
ステップ(4)月々の返済が可能か/現金がいくら必要か
物件の購入目安を決めて、ここでやっといくら借りるべきか、という話になります。
この場合は、考える指標としては:
① 手元に現金をどれだけ残しておきたいか
② 無理なく月々返済できるか
③ ローンを組むことのメリット・デメリットは何か
といった点ですが、
現金が少ない人の場合:①、②が特に重要
現金がある人の場合:①、③が特に重要
と、懐具合で重視する点も変わってくると思います。
① 手元に現金をどれだけ残しておきたいか
手元にまとまった現金を残したいケースは、だいたい以下の理由だと思います。
- 生活防衛資金(無職になった時などの当面の必要な生活費をとっておく)
- 投資にまわしたい
- 近い将来、大型出費がある
② 無理なく月々返済できるか
月の返済額はいくらまでなら可能かを考えます。
例えば、
- マンション価格:1800万円
- すぐに払える現金(頭金):200万円
- ローン:1600万円
として、これを20年で返すとします。この時点では仮数字です。
この場合、
1600万円(ローン元本)÷20年=80万円/年(年間80万円の返済)
80万円÷12か月=約6.6~6.7万/月(月に7円万弱の返済)
となります。実際は金利も入ってくるので、これよりも多少高くなるでしょう。
この月々7万円のローン返済プランが
可能な場合:
ローンの借入金額は1600万円となります。
厳しい場合:
頭金の割合を増やし、借入金額を減らして再計算をする
または
ステップ(3)に戻って物件価格を下げるよう見直す
のいずれかを行い、無理なく返せるプランになるまで繰り返します。
月々の返済についてはこちらの記事でも記載したのであわせてご覧ください。
「住宅ローンどうする?:月の返済額と返済期間について」
③ ローンを組むことのメリット・デメリットは何か
メリット・デメリットについては、「現金はある程度は用意できるけど、どれだけローンにすべきか?」という場合だと思います。
わたしのように50歳間近のアラフィフで購入する場合は、35年ローンは組めませんが、一方である程度は貯金もしていると思うので、いくら借りるべきなのか、ローンのメリット・デメリットについても考える方も多いかと思います。(ニコニコ現金払いで購入される人もいるとたまに聞きますが…😅)
住宅ローンのメリット・デメリットは、これまでの記事の内容でカバーできている気がしますが、改めて書くとこんな感じです。
住宅ローンを組むメリット:
- 手元に現金を残せる(急な支出にも対応できる)
- ローン控除が受けられる場合は逆ザヤになる
(ちなみに、わたしは平米数が条件に満たないため、ローン控除の恩恵はまったくありませんorz) - 万一大きな病気になったり、天に召されてしまったりなどの場合は、ローンの返済義務がなくなる(家族のいる人にとっては特に安心)
わたしの場合、ぽっくり逝ってしまった後のことはどうでも良いですが、病気で働けなくなるリスクを考えて、ローンを組んでいるという理由が大きいです。返済免除の条件は厳しいようですが、それでもあるだけ安心だと思っています。
住宅ローンを組むデメリット:
デメリットはいわずもがなですが、余計な利息を取られるという点だと思います(ローン控除を受けられない限り)。
あとは、ローンプランを考えるのがめんどくさい、精神的なプレッシャー(万一収入が途絶えたら)などもあるかと思いますが🙄。
まとめ
結局、住宅ローンの借入金額はいくらにすべきかというのは、借入金額を単体で考えたり、給与の何倍で考えたりというものではないと思っているので、
ライフプラン・今後の収支を計算
▼
住居費に充てられる/充てたい金額(=物件価格)
▼
月々の返済が可能か(返済プラン)/必要な手元の現金はいくらか
の順で考え、これらの変数をごにょごにょと調整しながら、ローンのメリデメもふまえて決めていきました。
ということで、説明が長く途中で睡魔に襲われた人もいたかもしれませんが、伝わりましたでしょうか。他にもっとシンプルなやり方もあるかもしれませんが、いろいろ情報収集しつつ、わたしの進め方を紹介しました。
ステップ(1)と(2)については、実際は一緒に考えた部分もあるのですが、また別記事で紹介したいと思います。
以上、アラフィフおひとりさまの「住宅ローンどうする?:借入金額はいくらにすべきか」でした。