マンションの購入において、いざ物件を比較検討した際に気になることの一つが、管理費・修繕積立金がいくらかという点です。物件によって金額はまちまちですし、他に考えるべき条件がたくさんあって、なんとなく優先度を下げがちですが、入居後のランニングコストに影響してくるので、この金額もおろそかにはできません。
そこで今回は、管理費・修繕積立金について、一般的な平均値や実際におひとりさま40代(ほぼアラフィフ)でマンションを購入をした筆者の場合はどうだったかについて書いてみたいと思います。
(なお、わたしはプロのFPではないため、一個人の体験や意見としてお読みください。周囲に聞ける人がいないといった方の参考になればと思っています)
40代アラフォー(というかほぼアラフィフ)でマンションを購入。地味に会社員を続けているが、メンタルが弱く、一つのことを考え始めると頭から離れず執着する性格。マンション購入においてもいろいろと調べ、悩み、条件を変え、歩き回った末にやっとこさ希望の物件の購入に至る。
管理費・修繕積立金とは
すでに知っているという方は、すっとばしていただければと思いますが、ざっくり自分が理解している内容を説明します。
管理費とは
管理費とは、マンションの共有部分の維持・管理にかかる費用です(そのまんまじゃん)。
わたしがマンションを買った時は、管理費については、「管理人さん(管理会社)に払う清掃代とかだろう」という大雑把な理解でした。
実際にマンションに住み始めて、設備の点検や、樹木の剪定、定期的な配管の清掃、共用部分の電気代などなど、ほぼすべての日々のメンテは管理費から賄われているのだと知りました。
修繕積立金とは
修繕積立金とは、マンションの共用部分の大規模修繕にかかる費用を将来に備えて積み立てていくお金です。数十年に1回の配管の交換や外壁の塗りなおしなど、「全体的な修繕が必要になった際に使うお金」とわたしは理解しています。
マンションを建てたばかりでは当分使う予定のないお金と思っておりましたが、実際は新築でも居住者の賛成が得られれば積立金を使うこともあると入居して知りました。
管理費・修繕積立金の目安
わたしが購入する際は、「管理費・修繕費トータルで1万~2万円くらいが目安」と思っていましたが、改めてどのくらいが平均なのか調べてみました。
管理費の目安
不動産屋など情報サイトをみたところ、管理費だけで1戸当たり1~2万円の範囲が相場のようです。
また、国土交通省が以前に発表した「平成30年度マンション総合調査結果」を引用している記事も
いくつかあり、その調査結果によると、管理費は㎡(平米)あたり217円が平均とのことです。
例えば40㎡の場合、月額の管理費は8,680円になります。
この数字は全国の平均ですが、首都圏などエリアによっても異なります。
参考サイト:マンション管理費の相場はいくら?修繕積立金の相場とあわせて解説
引用元:平成30年度マンション総合調査結果(PDF)
修繕積立金の目安
修繕積立金に関しても、国土交通省が以前発表した資料(「修繕積立ガイドライン」)の数字を掲載しているところが多かったです。
ただ、サイトによって引用元の資料の年代が異なっているようで、数字がまちまちでした。
最新と思われる資料よると、修繕積立金の平均は、㎡(平米)あたり335円とのことです(15階未満で5000平方メートル未満の場合)
例えば40㎡の部屋の場合、月額の修繕積立金は13,400円になります。
なお、一般的には築年数が経つほど修繕積立金が高くなるマンションが多いですが、上記は同じ額を毎年払った場合の平均になります。
参考サイト:マンションの修繕積立金、目安は国交省の改訂指針 – 日本経済新聞
引用元:マンションの修繕積立金に関するガイドライン(PDF)
金額が妥当かどう判断するか?
「マンションは管理を買え」といわれるくらいメンテンナスが重要なので、管理費も修繕積立金も安ければ良いというものではありません。
よって、高すぎても困るけど安すぎても心配となり、妥当性をどう判断するかが悩みどころです。
平均と比べるという方法もありますが、いろいろな要素が金額に影響するのであくまで目安でしかありません。
そこで、わたしがマンションを購入した際は、以下のように考えて判断するようにしました。
高くなる仕組みを理解しておく
管理費や修繕積立金の金額の差は、どのように決まるかをまず調べました。
だいたいこのような要素が金額に影響します。
共用スペース・設備:
例えば、エントランスに広い花壇がある、防犯カメラやエレベーターが複数あるなど、共用スペースが広く設備が整っているほど管理費は高くなります。特に、機械式駐車場の有無では管理費に大分差が出るようです。
戸数:
1棟あたりの戸数が多いほど1戸当たりの金額は低くなるといわれております。
なお、わたしの場合は、最低30戸数以上あることを条件にしていました。管理費を抑えたいというのもありましたが、戸数が少ないほど、管理費が集まらなかったときの1件あたりのインパクトが大きいためです。
部屋の広さ・間取り:
同じマンション内でも部屋タイプが複数ある場合、所有面積が広いほど金額も高くなります。
築年数:
特に修繕積立金に影響する部分で、通常は年月が経つほど高くなります(「段階増額積立方式」というらしいです)。
また、修繕積立金に関しては、長期修繕計画を基に算出されているので、修繕計画自体に問題がないかについてもあわせて確認するようにしました(これについては別記事で取り上げます)。
条件の近い物件と比較する
このように管理費や修繕費には、金額に影響する要素が多いので、平均と比較するだけでは妥当かどうかの判断が難しいです。
よって、一番良いのは欲しい物件と同じような条件(戸数・年数・管理体制)のマンションと比較してみることだと思いました。
物件情報サイトには管理費や修繕積立金も掲載されているので、できるだけ近い条件で物件を検索し、比較することが可能です。
例)とある物件の概要ページより(2LDK、築6年)
他のマンションと極端に差がある場合は、実際に現地に行って共有スペースなどの違いを確認するか、自分が欲しい物件の不動産屋に、他物件より金額に差がある理由を聞くもの良いです。
新築の場合でも、できるだけ同条件で築浅の物件があれば比較することができます。
独身40代でマンションを購入したわたしの場合
では、わたしが購入した物件の管理費・修繕積立金の金額と、実際に購入するときにどう判断したかをご紹介します。
現在の管理費・修繕積立金の金額
現在の月額の管理費と修繕積立金は以下の通りです。
■購入マンション:都内新築36㎡(全体約40戸数)■
まず、平均をもとにした金額は合計1万9,872円です。
- 管理費:217円/㎡x36=7812円
- 修繕積立金:335円/㎡x36=12060円
合計:19,872円
それに対して、実際の金額は約1万5千円です。
- 管理費:約12000円(333円/㎡)
- 修繕積立金:約3000円(83円/㎡)
合計:約15,000円
合計としては平均より低く、諸々条件を考えると妥当かなと思いますが、できればもう少し下げる余地はあるのではと思っています。
内訳としては、管理費は平均の217円/㎡と比較すると100円高く、修繕費は平均の335円/㎡より遥かに低いです。平均は目安とはいえ、もう少し修繕費用の割合を増やさないと心配な金額ではあります。
他物件との比較
購入を検討していたマンションは、偶然にも近いエリアに似たような条件のマンションがあり比較が容易でした。実は、わたしが購入したマンションは、購入時点では今よりも管理費・修繕積立金が高額でした。同じ条件の物件と比較しても明らかで、新築の割に高いと感じていました。
不動産の担当者も高めであるとは認めていましたが、金額を裏付けるような理由もなかったので、マンションを決めるにあたり最後までそこがネックになりました。
管理費・修繕積立金は後から変えることができる
明らかに高めだとわかっていても購入を決心したのは、入居者の同意が得られれば、管理費や積立金は下げることも可能だと知ったためです。
探し歩いてやっと見つけた物件だったので、管理費や積立金が高い点は妥協しつつ、「入居したら絶対下げてやる~😤」と思い購入を決めました。
実際に下げられるという保証はもちろんありませんでしたが、結果的には入居後に無事、管理費を減額できました。やはり同じように感じていた方は多かったようです。
ただ、今回の購入は下げられることを期待して決心しましたが、もし欲しい物件が中古だった場合はわかりません。中古の場合、現在の居住者がその金額で納得している可能性が高いので、後から入ってきた新参者の意見で下げられるとは期待しなかったかもしれません。
ご利用は計画的に
いずれにしても、単に金額を下げれば良いというものではなく、不要な管理業務や修繕計画がないかを見直して削っていくということが重要です。単に減額しただけで、マンションのメンテが行き届かなくなったり、将来の修繕費が足りなくなったりしては困りますからね 😥。
そのあたりは管理会社と理事会や居住者次第ではと思います。
ということで、以上「管理費・修繕積立金の適正額とは?平均価格と実際に購入したおひとりさまの場合」でした!
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