マンション購入で一番悩むのが、ローンをどうすべきか、という問題ではないでしょうか。
- 頭金はどのくらいにするか
- 繰り上げはするか
- 固定か変動か
- どこから借りるのか
などなど、ローンを組む場合、考えることが山ほどあります。
マンションを探しているとき「ローンさえなかったら、マンション購入のストレスは半分くらい減るのでは」とすら、思っていました。
そこで、今回から数回にわけて、マンション購入における住宅ローンについて、自分の調べたことやわたしがどう考えて決めていったかについて書きたいと思います。
第一回目は、「頭金」と「借入金額」についてです。
住宅ローンで悩むことの一番が、そもそもいくら借りるべきか、言い換えると頭金はいくらにすべきかということかと思います(頭金が大きいほど借入金額は減るため)。
不動産屋に物件を見に行くと、まだ買うと決めてないときから、ローンについて聞かれたりしますよね。
まずは、この頭金や借入金額について、自分が調べたことやわたしがどうしたかを書いてみたいと思います。
地味に会社員を続けているが、メンタルが弱い(不安症)ためか、一つのことを考え始めると頭から離れず執着する性格。マンション購入においてもいろいろと調べ、悩み、条件を変え、歩き回った末にやっとこさ希望の物件の購入に至る。
そもそも頭金とは
まず、頭金について調べてみると気付くかもしれませんが、「頭金」の適正価格を調べていると、「諸費用」と混ざって掲載がされていることがあります。
前提として、この記事では、「頭金」=物件価格のうち最初に支払う分とします。諸費用(この定義もあいまいだけど)は含みません。
つまり、頭金0円の場合は=フルローンということです。
頭金は必須か?
マンションを買う前は、頭金とは、賃貸でいう敷金や礼金みたいなもので、マンションを買う時に必ず発生するものというイメージでした。
が、実際は違います。
頭金は最低~円からという決まりがあるわけではありません。
なんとなくの相場はありますが、なかには頭金が0円=すべてローンで借りられる場合もあるようです。
また、正確には物件ごとに一律ではなく、借りる当人により変わってきます。
そもそもローンで借りられる金額というのは、借りる人の年齢や職業、収入、物件価値、頭金の金額などにより変わってくるので、借りられる(審査に通る)金額が買いたい物件の金額より上回っていないと全額ローンは無理です。
よって、頭金に迷っている人は、まず先に、頭金なし(または仮の金額)で、自分がローンで借りられる最大金額を算出してみると良いかもしれません。簡単なシミュレーションサイトもありますが、不動産屋で物件の相談をする際に計算してもらえます。
年齢が若い、手堅い仕事についている人、収入が多い、優良物件、という条件に合致するほど借りられる金額は大きくなるというイメージでおります。
住宅ローンの頭金の相場とは
さて、以上のような前提条件を理解したうえで、頭金はいくらにすべきか。
ホント、ここ悩みますよね。
ちまたの情報をみると、頭金の相場は物件価格の10%~20%が平均のようです。
3000万円の物件で頭金20%ならなら600万。
2000万円の物件で頭金10%ならなら200万。
というように、10~20%といっても、物件価格により大分金額が変わりますね。
ただ、あくまで相場で、最終的には自分の収入、人生設計、借りられる(審査に通る)ローン金額次第となります。
結局、いくらにすべきかの目安や判断基準は、現金をどれだけ手元に残したいか、月の支払額に無理がないかなどによって変わってくるので、自分で判断する部分が多いだけに悩みます。
頭金を用意するメリット・デメリット
それでは、頭金を出すメリット、デメリットには、どんなことがあるのでしょうか。
一言で言えば、
頭金を多く出すメリット:借入額が減る(利息が減る)
頭金を多く出すデメリット:手元の現金が減る
に尽きると思います。
反対に、頭金を少なくする、メリット・デメリットは。
頭金を少なくするメリット:手元に現金が多く残る
頭金を少なくするデメリット: 借入額が増える(利息が増える)
ですね。
借入額が減るなら頭金が多い方が良いんじゃないかと思いますよね。
ただ、わたしが調べた限り、「頭金は抑えてできるだけ現金を手元に置き、余裕があったら繰り上げ返済をする方が良い」という意見が多かったです。なぜなのでしょうか。
頭金を抑えて現金を多く持っておいた方が良いといわれる理由
調べたところ、だいたいこんな理由でした。
理由1:急な出費にも耐えられる
無理にローンを組んでしまい手元に現金が少ないと、何か予定外の出費があった際に、ローンが払えずマンションを手放すことになり兼ねません。
よって借入額が高くても、頭金を抑えて手元に多く現金を多く残した方が良いという理由です。
具体的な目安としてよく聞くのが、失職した際に次の仕事が見つかるまでの期間の生活費です。
その期間は、3か月だったり、半年だったり、2年という意見まで、情報源によりいろいろですが、ここも個人の事情によるのではないでしょうか。
わたしの場合、最低2年分の金額は確保したうえで頭金を考えました。
理由2:現金を投資にまわせる
ここ何年も住宅ローンの金利は1%以下と低い状況のため、それなら貯蓄にまわした方が現金を増やせるという考え方です。
ただ、ローンの利息は低いといっても0.3%程度で、普通預金の0.001%よりは大分高い利率です。
これよりも高い利息を貰える金融商品をなると、株や投信信託などの投資になります。
わたしは当初、そこまで投資をやるつもりはなかったので、ローンの借り入れは少ない方が良いと思いました。
理由3:住宅ローン控除により逆ザヤになる
これは後から知ったのですが、平米数が条件を満たしていると、ローン控除により逆ザヤが発生します。
つまり、ローンの利息よりも戻ってくる金額の方が多くなります。
払っている税金以上に戻ることはないようですが、それでも実質利息はないに等しいのではないでしょうか。それであれば、借入金額が多くても気になりません。
わたしの場合、ローン控除を受けられる条件に平米数が満たなかったので、どのみち関係なかったのですが、もしローン控除を受けられるなら、頭金は抑えて大部分をローンにしたかもしれません。
頭金の決め方:アラフィフ独身女(わたし)の場合
頭金の考え方やメリット・デメリットを考慮したうえで、結局わたしの場合どうしたのかというと…
購入金額の約半分を頭金にしました。
考え方として、まず最初に、
- 月額の支払いをどのくらいに収めたいか
- いつまでにローンを払い終わりたいか
ということを利息とあわせて何パターンかでシミュレーションし(不動産屋に出してもらい)、
その結果これで良いのではと思える借入金額を出しました。
具体的には、
「無理なく支払いを続けられる月の返済額」x「返済を終えたい期間」=「借りたい金額」
を算出し、物件費用から借りたい金額を引いた値を頭金と考えました。
これだけだとわかりづらいと思うので、例として計算します(計算をわかりやすくするため単純な数字にしています)。
無理なく支払いを続けられる月の返済額:月5万
返済を終えたい期間:10年間
とするなら、
月5万円x12か月=60万/年間
年間60万x10年間=600万
が返済可能なローンの金額です。
実際は、これにローンの利息がかかるので、
600万X0.3%=1.8万/年間 x 10年間=18万の利息として
620万を10年間かけて返す計画になります。
物件費用が1000万円とすると、
1000万-600万=400万円
が頭金で用意する金額 という考え方です。
頭金50%というのは、かなり多い方だと思いますが
- 50歳手前での購入
- 定年までに払い終わりたい
- 月の支払いを抑えたい
- できれば利息額は減らしたい
という理由で、かなりの金額を頭金で賄うことにしました。
ただ、正確には頭金ではなく、一部は購入後すぐの繰り上げ返済で行いました。
理由は、いきなり頭金で大きな金額を納めることに不安があったためです(万一、計算が間違っていたらどうしようとか…。←このレベルでよくマンション買ったな)。
ローンの月の返済額や返済期間は後から繰り上げで調整が可能であり、繰り上げすることで月の利息金額も減らすことはできるので、購入後すぐの繰り上げ返済でも実質あまり変わりないと判断しました。
唯一変わってくるのは、ローンの手数料です。初回の借り入れ額の設定が大きいと、その分が手数料が高くなるので、払えるのであれば頭金をがっつり納める方が、より無駄な金額を抑えられます。
後日談:買った途端に投資に目覚めた
さきほど、そこまで投資をやるつもりはなかった…と書きましたが、幸か不幸かマンション購入をきっかけに早期リタイアをしたくなり、投資により興味を持つようになりました。
それまでも、優待目当てに株の購入やiDecoなどの投信はやっていたのですが、高配当の株に興味を持ち始め、積極的に勉強するようになりました。
こんなことなら、もっと現金を手元に置いておけば良かった…と一瞬思いましたが、投資はあくまで余裕資金で行うものであり、ローンの返済分の貯金を投資にまわすわけにはいきません。なので、やはり頭金を多く支払い、借入金額は抑えておいて良かったと思います。
以上、頭金と借入金額はいくらにすべきか?について、わたしの考え方や決め方のご紹介でした!
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